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本日は、4月に話題となった相続財産の評価額について争われた最高裁判決についてご紹介したいと思います。
まずは本件の概要を簡単にご説明すると、最高裁で争われたのは相続した賃貸マンションの評価額が実勢価格(現在取引されている市場の価格)より低すぎるとして、国税当局が再評価し直し追徴課税したというものでした。相続人側も評価手法は通常通り行い妥当なものと主張し提訴しましたが、税務当局の主張が正当という判断が下されました。
昔から相続時の節税対策として常套手段として活用されていたこの手法が認められなかったわけですから我々不動産業界にも大きな波紋が広がりました。税理士関係者の方達も、本件判決のポイントとして驚いたのは申告自体の中身が従来通りの至って普通の手法に基づいていたからです。
では、なぜこの様な結末になったのでしょうか??
焦点は「妥当性」「常識的な」といった観点でした。
最高裁の判決要因として、「不動産を取得するための多額の借入れ」とその時期があげられます。借入に関しては、当然大きな買い物になるわけですから借入自体がダメと言っているわけでは無いのですが、節税効果の一つとして債務控除も考えたときにその借入額が◯◯億円といった額になると他の財産との相殺に使う意図があると見られがちな点です。もう一つの時期についてですが、不動産の取得時期が明らかに相続節税の目的と捉えられる時期は避けた方が良いということです。さらには、本件に関していうと申告後間もない中でその融資により取得した不動産を、売却していたことも大きく影響していると思います。結果、納税額を「ゼロ」と申告するなど極端なもっていき方だったことが妥当性を欠いたと判断されてしまったわけです。なので、今回の事案に関しては「借入額」「取得時期」「取得不動産の売却時期」=「やり方」が極端と判断したのではないでしょうか。
最高裁自体も、通常の節税手法そのものを否定しているわけでは無く、むしろ認めている実績も多くあります。今回の最高裁判決のいう「著しく不適当」なケースがどういう場合のことを指すのかが明確ではないにせよ、一定の枠組みを示したのは今後同様のケースを考えた際には大きいポイントになってくると思います。
相続税の申告では、当局の指摘は申告から約1〜2年以内とされることが多いのでその時期までに意図的な売却があると指摘を受けやすいかもしれません。
しかしながら、不動産をうまく活用することで相続時の節税対策を有効にすることは可能ですのでしっかりとした計画で長期的なスパンで取り組むことをお勧め致します。なお、以前のブログでも投稿しましたが私が常々思うのは、不動産も様々で立地による今後の将来性等が大きく反映してきますので金融資産として捉えるのであれば「何を」買うかが最大のポイントとなります。(※記事最後に掲載の関連記事をご参照下さい!)
山信不動産(株)では、お客様一人一人の需要に特化して「住まう以上の住まい」を提案しております。本日ご紹介した相続対策としての不動産活用についても詳しくご説明致しますのでご興味のある方は、いつでもお気軽にご相談ください!